地球温暖化がテーマの取材で、岐阜の富有柿など果樹の名産地のブランドがずっと続く保証はないと知った。ウンシュウミカンは平均気温が1度上がれば「産地の半分が栽培適地から外れる」という。柿は色づきが悪くなり、クリは収穫が夏ごろに早まる。品質や収穫期の変化は、観光業など地元経済に大きな影響を及ぼしかねない。

 コストをかけて病気を防ぐなど、これまで以上に丁寧に育てることで既存の果樹を守ることができる。南国フルーツなど暑さに強い果樹を導入する手もある。市場から安定した需要を得るには、生産者や行政が協力し、産地が新たなブランドとして認知されることが重要だ。

 「桃栗三年柿八年」とされるように、果樹は収益を生むまで時間がかかる。変革期の自動車産業などと同じように、農業の現場でも「次の100年をどう生きるか」という長期的な視野の経営判断が求められている。 (竹田弘毅)