ロシアのウクライナ侵攻の長期化で世界情勢が大きく変わりそうだ。

 米国から見たロシアは仮想敵。一方、欧州から見たロシアは、もうかる魅力的なマーケットで争いは避けたかったはずだ。ロシアはエネルギー、食糧や肥料資源が豊富で売り先には困らない。 

 世界最大の産油国の米国と異なり、欧州連合(EU)各国のロシアエネルギー依存度は急に変えられず、今後エネルギー問題への対応不一致や、戦後の復興予算の分担問題でEUが分断されるかもしれない。

 この情勢の中で日本企業はどう対処すべきだろうか。あらゆる物の調達先、サプライチェーン(供給網)が変わり、原産地がブロック化する。安い所で調達し、安い場所か需要地で生産するという当たり前のビジネスが享受できなくなる。自給率やリサイクル率の向上が急務だろう。特に安全保障に関わる半導体やヘルスケア、電力、ITインフラ関連物資は、自国かブロック内調達が必須だ。

 一方、欧米に追随せず今回制裁に加わっていない第三国との関係、特にインドやトルコ、南米、中東、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との関係を再度重視すべきだ。

 日本企業は欧米発の情報に惑わされず、米中以外の世界全体を見渡す大局的な判断が求められる。(野村総合研究所名古屋オフィス代表)