トヨタ自動車グループのトヨタ紡織(愛知県刈谷市)が顧客の新規開拓に本腰を入れる。主力のシート売上高を伸ばしつつ、現状で8%程度にとどまるトヨタ以外のメーカーへの販売比率を2030年度に20%以上にする野心的目標を掲げる。

 「競合他社をしのぐサプライヤーになるためには、さまざまなメーカーから受注する必要がある」。伊藤嘉浩取締役執行役員は力を込める。これまで、トヨタの品質要求に応えることで技術力や収益力を伸ばしてきた。他メーカーとのビジネスを積極的に増やすことで市場ニーズを捉え、魅力的な新製品を提案する力を鍛える狙いがある。

 まずはスズキやダイハツ、マツダ、スバルなどトヨタと資本関係、協業関係にあるメーカーを「戦略OEM(相手先ブランドによる生産)」と定義し、営業攻勢を掛ける。さらに米国のデトロイト3や中国の新興メーカー向けにも拡販を図っていく考えだ。

 22年3月期のシート売上高の予想は約1兆4000億円。これを25年度に1兆6000億円まで増やす目標も同時に掲げている。伊藤取締役は「他社拡販で『壁』を破りたい。自動車業界が変革期を迎える中、将来にわたって持続的に成長できる会社に生まれ変わる」と語った。 (安藤孝憲)