金融市場では、米国を中心としたインフレと金融引き締めに焦点が当たっている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は新型コロナ感染による一時的な物価高という見通しを返上し、量的緩和策による資産買い入れ額を徐々に減らしていくテーパリングの期限を前倒しした。金利先物市場は今年、FRBが3、4回利上げすることを織り込んでいる。最近はFRB総資産の縮小も議論となっている。

 FRBのスタンス変化を受け、金融市場では長期金利上昇、株安を懸念する向きが多いが、以下の理由から景気拡大は続き、株高も続く公算が大きいと判断している。

 最大の理由はFRBがインフレを退治するつもりがないからだ。FRBが12月に発表した景気、金利見通しによれば、23年のインフレ予想2.3%に対し、フェデラルファンド(FF)金利予想が1.6%となっており実質FF金利はマイナスのままである。

 一方、生産と雇用のボトルネックは昨年よりも正常化に向かい、供給側の問題によるインフレ部分は低下すると予想される。その結果、3~4%程度のインフレと景気拡大が並走する経済が想定される。足元の社債クレジットスプレッドの低位安定はそのような将来を予見しているのではないだろうか。(東海東京調査センターチーフグローバルストラテジスト)