名古屋証券取引所上場企業の2021年9月中間決算会見が終わった。約160社がそれぞれ20分の持ち時間で決算概要を発表し、記者たちの質問に答えていく。

 開示の文面を淡々と読み上げるだけの社。この日のために作り込んだスライドで丁寧に解説する社。答えに窮した社長に経理担当者が助け舟を出す社。逆に、つい話しすぎた社長に広報担当者が慌てふためく社…。会見は無機質な決算短信の紙からは読み取れない、企業の「人間味」を感じられる貴重な機会だ。

 残念だったのが、会見そのものを中止してしまった企業が少なからずあった、という点だ。各社一様に新型コロナウイルス禍の感染リスクを理由に挙げた。しかし、名証はオンライン会見の仕組みを用意している。そもそもコロナの第5波は落ち着いていた。

 会見が時間切れになると、記者と社長が廊下で延長戦を繰り広げるほど、人間同士の生きたやりとりがある。中止した社の人間味を見て取ることはかなわなかったが、皮肉にも情報開示に対する姿勢が垣間見えた。来春の通期決算こそ、すべての社長たちの血の通った言葉が聞けることを願わずにはいられない。 (久野賢太郎)