→
法人限定 中日BIZナビ 無料トライアル受付中! 法人限定 中日BIZナビ 無料トライアル受付中!

東北の下請け、車以外で減産カバー トヨタ東日本発足10年(2)多角経営

2022年7月5日 17:30(2022年7月13日 11:59 更新)
印刷する
トヨタ自動車東日本の生産ライン。昨年から稼働停止が相次ぐ=2016年、岩手県金ケ崎町

トヨタ自動車東日本の生産ライン。昨年から稼働停止が相次ぐ=2016年、岩手県金ケ崎町

河北新報の「進展 北の拠点 トヨタ東日本発足10年」を全5回連載します

 「お客さまや仕入れ先にご迷惑をおかけしている。反省を踏まえ、生産計画を現実に即した無理のない計画に見直した」。3月17日夕、トヨタ自動車は度重なる計画見直しをホームページ上でわびた。

 昨夏以降、半導体不足や東南アジアで生産する部品の不足を理由に、グループ工場の生産調整が常態化。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の生産台数は、小型ハイブリッド車「アクア」が好調だった2012年度に約65万台を記録し、13~20年度は45万~60万台程度で推移したが、21年度は約40万台に落ち込んだ。

 今年1、2月は一度決めた工場稼働停止日を取り消したり、当日の夕方に事後報告したり、混乱は深刻化。「下請けにしてみれば、出荷できなければ在庫がたまる。急な発注があれば、高コストでも作らざるを得ない。受注変動の負担は大きい」。平井淳生東北経済産業局長はこう苦言を呈し、安定生産を継続する必要性を強調する。

 「自動車の仕事がなくなった分、自動車以外の受注品を集中生産している。急に稼働停止すると人員の振り分けが難しい」

 中国・上海のロックダウン(都市封鎖)の影響を受け、トヨタ東日本が生産調整した6月上旬。ある東北の下請け経営者は恨み節を漏らしながらも「自動車オンリーの企業が多い中部地方は、より状況が深刻。それに比べればましだ」と冷静に分析した。

 東北の自動車産業を下支えする企業の大半は元々、家電部品などを手がけていた。事業分野が多角化されており、自動車部品の生産を休んでも、その他の事業で何とか食いつなげるという訳だ。

 有力下請けになると自動車の中でも幅広い役割を担い、経営安定につながるケースもある。

 登米精巧(宮城県登米市)は14年から自動車部品製造に参入。トヨタグループの小島プレス工業(愛知県豊田市)の協力を得て、トヨタ東日本にプレス部品を直接供給する。後藤康治社長は「部品以外にも、生産設備や治具も手がけるのが強み。多種多様な仕事でリスクヘッジができる」と話す。

 部品参入前の売り上げは事務機器や半導体、高度電子機械の関連部品が95%程度を占め、自動車関連は生産設備が5%程度だった。今では自動車関連が売り上げの半分にまで成長。部品参入によって生産設備の取引のパイプも太くなった。

 東北の製造品出荷額の推移はグラフの通り。全体に占める自動車など輸送用機械の比率は10年が7.4%だったのに対し、19年は10.8%と3.4ポイント上昇。存在感を少しずつ増している。

 後藤社長は「新型コロナウイルスに、都市封鎖、ウクライナ危機…。以前はこれほど世界情勢に影響を受けなかった。自動車は要求品質が高く、厳しい点もあるが、東北経済の落ち込みをカバーし、成長させている」と述べ、自動車産業の中で生き抜く覚悟を示す。

関連記事

ニュース一覧

PAGE TOP