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【大規模漏水まとめ】取水施設に何が起きた?影響は? (発生から6月初旬までの経緯)

2022年5月19日 11:20(2022年6月7日 01:13 更新)
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 愛知県の矢作川から、農工業用水を供給する取水施設「明治用水頭首工(めいじようすいとうしゅこう)」で、大規模な漏水事故が起きました。5月17日午後6時ごろから川の水を取水できず、用水を利用しているトヨタ自動車関連の自動車製造業や、西三河地方の稲作に大きな影響が出ています。これまでの経緯や影響をまとめました。(中日BIZナビ編集部)

何が起きている?

・川をせき止めている「明治用水頭首工」の上流側の川底に穴が開き、下流側に水が流れ出た。水の流出で上流側の水位が低下し、明治用水に水を流し込めなくなった。

・復旧のめどは立たず、仮設ポンプを設置して明治用水に水を流し込んでいる。5月中に農業・工業に必要な水を確保する方針。

・仮設ポンプの稼働で、工業用水は必要量をほぼ確保できる見通しに。農業用水は一部地域で試験的に供給を再開した。

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メカニズムは?原因は?


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・穴が開いた原因は分かっていない。複数の有識者は取水施設の下に水の通り道ができる「パイピング現象」が起きたと推測している。

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(左)下流側で川から噴き出す水(右)川底に吸い込まれる水によってできた渦(中央下)。ここから下流側へ漏れ出したとみられる=いずれも5月16日夜(読者提供)



これまでの経緯

2021年12月
27日 明治用水頭首工で小規模な漏水を確認。取水に影響なし



22年5月
15日 頭首工の左岸近くで小規模な漏水を確認



16日 漏水地点に砕石を投入するが漏水は止まらず。



17日 堰の水位が下がり、農業用水と工業用水が取水できなくなる。



同日 東海農政局が用水の確保へ、仮設ポンプの設置を始める



同日 愛知県が会見し、漏水を発表

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18日 東海農政局が記者会見

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同日 トヨタ車を生産する一部工場が稼働停止するなど影響が広がる



19日 工業用水の供給を段階的に再開



20日 農業用水の確保へ、周辺の川から水をくみ上げる作業が始まる

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22日 東海農政局が5月中に農業用水の供給再開を目指すと発表



23日 一部の農地で少量の水が流れ始める



25日 一部の農地で試験的な供給が再開

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27日 農水省が原因究明や復旧対策を検討する委員会を東海農政局に設置

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30日 農業用水を管理する明治用水土地改良区が給水を拡大。頻度は4日に1度



6月2日 工業用の制限が3割から5割に緩和

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2日 東海農政局の検討委が現地を調査、初会合開く

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3日 自然取水のため川の流れを取水口に集める構造物の設置を発表

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4日 出力を半分程度に抑えていたJERAの碧南火力1・4号機が制限を解除

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6日 JERA、碧南火力発電所2号機を8日に再稼働と発表

関係当局の対応は?

・農政局は15日に漏水を把握していたが、公表は18日までずれ込んだ。

・水を取水するため、地域をまたいで官公庁や民間企業のポンプ車を集結させている。

・自動車関連企業などは節水や井戸水の提供で協力。

・愛知県の大村知事は復旧費用を県が負担する考えを示した

・豊田市や安城市が明治用水を利用する農家に見舞金を支給する方針示す

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大規模漏水から1週間がたった明治用水頭首工。取水のため川の流れを変える土のうを積む作業が行われていた=5月24日午後

なぜ工業用水を優先している?

・土地改良区の担当者が緊急避難的に農業用水を停止する判断をした

・農政局は24時間稼働し、すぐ影響が出る工業用水を優先する判断を容認していた。

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事故の背景は?

・工業用水のインフラ設備は1950~70年代に整備され、全国的に老朽化が課題になっている。

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明治用水頭首工とは

 主に愛知県内を流れる矢作川から工業や農業用水を取り込むため、川をせき止めて水位を上昇させ、明治用水に流すための施設。1958年完成。用水路の上流の先端部に設置されることから「頭首工」と呼ばれる。東海農政局が所管し、明治用水土地改良区が管理している。同改良区の資料などによると、型式は「フローティングタイプ」で、堤長は167.3メートル。明治用水は1880(明治13)年に通水し、これにより流域の水田面積が拡大、農業が発展した。

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【参考】明治用水の歴史 東海農政局の紹介ページへ

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