
世界は電気自動車(EV)へのシフトが大きな潮流だ。昨年末にはトヨタ自動車が、2030年にEVの世界販売350万台を達成する戦略を掲げた。車造りを支えるサプライヤーとして、どのように激流に立ち向かうのか。デンソーの有馬浩二社長に聞いた。
INDEX
■ 21年を振り返って
■ コロナ禍で意識改革進む
■ トヨタのEV戦略の受け止め
■ 半導体不足、秋ごろには落ち着いてほしい
■ 「デジタルツイン」で開発加速
■ カーボンニュートラルの実現に向け
■21年を振り返って
――2021年はどんな1年だったか。
経営的にはしんどい1年だった。車の生産数が少なくなったり回復したりと変動があった。車1台の重みを痛感した。多少、生産が減っても利益を出す体質にしようと活動してきたが、それに社員がついてきてくれて持ち場ごとに頑張ってくれた。粘りやこだわり、愚直さといったデンソーらしさを取り戻せた。基礎力を鍛え上げたのでこれから先のタイミングで飛躍させたい。
――社長就任から6年半。できたことや課題は。
就任1年目はCASE(つながる、自動化、シェアリング、電動化)への対応があった。大変な技術革新が求められると感じた。従来の仕事のやり方では対応できない。どうするかを考え、具体的に変わったのが2、3年目だった。その後は経営改革もしなければと思い、トップダウンでやってきた。